鳥さんの食事には大きく分けて皮付き餌とペレットの2種類があります。
それぞれの特徴について解説します。
また与えてはいけないものについてもご説明します。
皮付き餌
特徴
- 総合栄養食ではありません。
- タンパク質や脂肪の供給源にはなりますがビタミンやミネラルは不足してます
→ ビタミンやミネラルの補給にはサプリメントや補助飼料などの副食が必要
< 主食 >
シード類
- アワ、ヒエ、キビ、カナリアシード、エンバク(オーツ麦)、ソバ、オーチャードグラス、フォニオパディ、キヌア、パギマグリーンなど
- 市販のシードミックスはこれらが配合されていることが多いです。
- むき餌(皮が剥かれたもの)は保存性と栄養価が落ちるため健康な成鳥では非推奨
(嘴に障害があったり、ヒナさんでは使用することがあります) - キビは比較的大きく、硬いため胃が悪い子では負担になったり、セキセイインコなどで腸に詰まることがあります。
種実類
- ヒマワリ、アサノミ、サフラワー、ナタネ、エゴマ、ニガーシード、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、チアシード、クルミなど
- タンパク質も豊富ですが脂肪分も高いのであげすぎに注意が必要です。
- ω3脂肪酸(α-リノレン酸)が多いものは適量入れると良いです。(エゴマ、アマニシード、チアシード、ニガーシードなど)
→血中脂質の低下、炎症の軽減などの効果があり、人の健康食品としても注目されてます(アマニ油など)。
→量の目安:食事量の5-10%(体重が増えすぎるなら少なくする) - ヒマワリ、サフラワー、ナタネは非推奨です。
< 副食 >
ビタミン・ミネラル
- 鳥さん用のサプリメントを使用しましょう(人用、他の動物さん用だと用量の調節が難しいです)。
- 野菜だけでも不十分です。
- ヨードが含まれているかも重要です
→不足すると甲状腺腫の原因になります。 - 毎日与えましょう。
カルシウム
- カルシウムは骨の構成成分、筋肉を動かす、血液を固めて出血を防止するなど体にとって重要な栄養素です。
- 鳥類では産卵時には卵を作るためにも重要になります。
- 食べすぎたり、大きいミネラル源だと胃の負担になることもあります。
- おすすめのカルシウム源
→カトルボーン:イカの甲
消化・吸収が良い(齧って粉末を摂取するため)です。
食べないようであれば削って粉末にして、餌に混ぜるといいです。
タンパク質
- 羽や嘴などの構成要素です。
- 皮付餌ではタンパク質の構成成分である必須アミノ酸が不足します。
- 普段から適量与える必要があります。
野菜
- ビタミン・ミネラル源にもなりますが野菜だけでは足りません。
- 抗酸化物質が豊富であり、アンチエイジング効果も期待できます。
- 様々な種類があるので食のバリエーションを豊かにできます(季節ごとに旬のお野菜のあげてみたり、、、)。
- おすすめの野菜:•小松菜、チンゲン菜、サラダ菜、ピーマン、パプリカ、豆苗、ブロッコリー、ニンジン、レタス、キャベツ、ハコベ、カリフラワーなど
*与えてはならない野菜
•生の未熟なトマト
•ネギ類(タマネギ、ネギ、ニンニク、ニラなど)
•生の乾燥豆
•生のピーナッツ モロヘイヤの種・茎
果物
- 食の楽しみにあげるといいです。
- 穀食鳥では食べすぎると果糖の分解ができず下痢をすることもあります。
- 果食鳥(ベニコンゴウインコ、キソデボウシインコなど)では主食として10-30%あげます。
- おすすめの果物:リンゴ、ブドウ、イチゴ、キウイ、バナナなど
与えてはいけない果物
•アボカド
•未熟なライチ
•果物の種(特にバラ科植物)
•果物の皮(マンゴー、カキ、ザクロ)
ペレット
特徴
- 総合栄養食です。鳥さんに必要な栄養が全て入ってます。
- ワンちゃんで言えばドックフードになります。
- 一般的に消化・吸収が良く、胃にも優しいです。
- 換羽期に使用できる高タンパクタイプや病気の時に使える療法食などもあります。
ペレットの選び方
- 鳥さんが食べてくれるもの
→実際にあげてみて興味を示すか
→ペレットメインにしても体重が減らないか - 体に合っているもの
→実際に食べてみて体調に変化がないか
→便が緩くなるなど変化がないか - おすすめは無着色です
→着色ペレットは便の色が変わりやすく健康チェックに影響が出る可能性があります。
→例えば赤い便が出た時下血かペレットかわかりにくいこともあります。 - 大きさ
→鳥さんが好きな大きさ
→食べられる大きさ
→飲み込みにくい場合は小さくする
→早食いする場合は大きくする
ペレットへの切り替え方
< さしえ中の雛さん >
- さしえの中に砕いたペレットを混ぜる
- 今度は砕かずに粒のまま混ぜる
- ケースの中にもペレットを入れたり、ケースの床に撒いてみる
< 現在皮付餌の鳥さん >
- 試したいペレットと皮付餌を別々の容器に入れる
- ペレットをつまんでいる、砕いているなどペレットに興味がありそうかチェック
- 体重、便などチェックしながら、皮付餌の量を徐々に減らしていく
- ペレットだけで食事全体の7割を目指す
*砕いたペレットをシードに混ぜて味に慣れさせるのもありです。
与えてはならないもの
- 特に金属、観葉植物には注意です。
→重篤な中毒症状を引き起こします。
→特に放鳥中に注意が必要です。 - 人の食べ物
→体に合わないことが多いです。 - 塩土・ミネラルサンド
→胃の負担になることが多いです。 - 上記の与えてはいけない野菜・果物