右翼の尺骨付近に形成された腫瘤に対して断翼術を実施したおこめちゃん(ブンチョウ)の紹介です。
以前に右の尺骨(ヒトでは腕の骨のあたり)の骨折があり、テーピングで骨折の改善はありましたが、3ヶ月ほど経過して、同部位に腫瘤が形成されました。
腫瘤を自分でつついて出血したり、羽が重く下垂してしまうなどの症状がありました。
レントゲンを確認してみると尺骨の近位端の骨融解と軟部組織の腫脹が確認されました。

鳥類の骨腫瘍
骨の原発性骨腫瘍には、良性の骨種、軟骨種、悪性の骨肉腫、軟骨肉腫などがあります。
鳥類では、後肢や翼の長骨での発生が多く、頭蓋骨や胸骨などでも生じる可能性があります。他にも腺胃肉腫、血管肉腫などが骨部で生じることもあります。
骨部に形成される腫瘍としては、長骨内の気嚢において腺癌が形成されるケースなどもあります。
骨部の腫瘤には腫瘍以外にも、鳥結核症や真菌感染による肉芽腫性疾患でも見られることがあります。
治療には痛みや生活への支障によるQOL低下を防止するために、摘出可能な部位であれば、断翼や断脚などを実施します。
摘出が難しい部位では放射線治療や抗がん剤が検討されますが、まだ一般的に行われている治療ではなく、できる施設にも限りがあります。
骨肉腫では哺乳類同様、肺への転移が起こるため、治療後にも経過に注意が必要です。
腫瘤が大きく、骨から形成されている可能性も高かったため、断翼術を実施することにしました。
骨は大腿骨の途中から断翼することにしました。
翼部には太い血管もあるため、電気メスや半導体レーザーメスを使用して止血をしながら徐々に進めていきます。
骨も丁寧に切らなければ、割れた断面が鋭利になり、皮膚を縫合した後に術創が癒合しづらくなるため、レーザーメスを使用しながら丁寧に進めていきます。
ほとんど出血なく断翼をすることができました。
手術後は腫瘍の部分の重さや違和感から解放され、とても元気になりました!
よかったです!

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